張 遼 伝
 汜水関の戦い
ドラマパート
私は張遼、字は文遠だ。

この乱世に生まれ、武人として生きる道を選び、今日まで戦場を我が在るべき処として駆けてきた。

今、私は董卓殿の部将として洛陽に身を置いている…。
…いや、むしろ、武人・呂布殿と共に董卓殿の下にいると言うべきか。

呂布殿は、私が出会った中でも最強の武人。

その武の何たるかを見極めることができれば、私の武のあるべき姿も見えてこよう……。
概況
<呂布>
張遼、お前のようなくそ真面目な漢がなぜ、董卓の下などに……?
そうか、お前も俺と同じ……強き者と戦い、武を高めるためか。

今から俺たちは汜水関へ連合軍を叩きに行く。
見た限り目立つ将は孫堅か…ふん、カスだな。
俺はおろか、お前の武にも及ばんだろう。

残る烏合の衆の中に、俺やお前を満足させる漢がいるか……。
まず雑魚どもを蹴散らせば、答は自ずから現れよう。
行くぞ、張遼!
評定
<華雄>
連合軍め、思い知ったか!
汜水関はこの華雄がいる限り通さん。
虫けらの分際で董卓様に近づこうとは、笑止千万!

だが、たかが虫とはいえ何度も寄られれば厄介だ。
そう間を置かず、奴らは再び攻め来るだろう。
いかにして防ぐべきか……。

 虎牢関の戦い
ドラマパート
私たちは奮戦し、汜水関の防衛に成功したが、連合軍は山野を越え、
都・洛陽の目前である虎牢関まで攻め上がってきた。

仕えている主とはいえ、董卓殿の今の行状は目に余ることはなはだしい。

道義は連合軍、いや、董卓殿の外にあるだろう。

しかし、この張文遠。

将としてあるからには主のためにこの武を振るわねば!

せめて、真の武人とのよき戦を望みたいものだ…。
概況
<呂布>
ふん、雑魚どもが懲りずに再び攻めてきたか。
それだけ、董卓が奴らに恨まれているということだな。
面倒だが……また片づけてやるか。

すでに虎牢関は囲まれ、落ちる寸前だ。
張遼、お前は虎牢関近くの間道を押さえて、群がる雑魚どもを蹴散らせ。

俺がすぐに虎牢関正面の戦局を覆す。
それを機に押し返し、雑魚どもの頭・袁紹を叩く。
行くぞ。お前の武、奴らに見せてやれ!
評定
<董卓>
がっはっは。
連合軍など、しょせんは烏合の衆よ。
少し小突いたら、泣きわめいて散りおった。
わしの敵ではなかったわ!

だが、どうも最近、周りで不穏な空気が流れておる……。
誰ぞわしを妬んでおるのか。
この嫌な空気のもとを突き止めねばな。

 下邳の戦い
ドラマパート
虎牢関は守りきったが、董卓殿は誅殺されてしまった。

呂布殿と貂蝉殿の手によって……。
臣が君を斬ってしまったのだ。

結果、呂布殿は英雄ではなく逆臣として都を追われた。

私は呂布殿に従って各地を流浪し、劉備から下邳を奪い、そこに居を構えた…。

呂布殿も正しいとは思わない。
だが、私は見極めたいのだ…。

無双なる力のたどり着く先、そして、私自身の武の進むべき道を……。
概況
張遼、お前は都に残っていれば相応の位を得られただろうに。
……ふっ、まあいい。
これから俺たちは、この下邳城で防衛戦をする。

劉備め、この下邳を取り戻すのに曹操を頼り、さらに非道な水攻めとは……
聖人君子の化けの皮がはがれたな!

張遼、お前は城外で戦え。
お前の武であれば敵に遅れを取ることはないだろう。
敵総大将は曹操だ。奴が見えたら問答無用で討て!
評定
<呂布>
ふん、尻尾を巻いて逃げおったか……。
曹操も劉備も敵ではないな。
俺と赤兎とこの下邳城があれば、怖いものはないのだ。

くだらん策など要らん。
雑魚がいくら攻め寄せてこようが結果は同じ。
城で堂々と構え、奴らを待ち受けていればいい。

 赤壁逃亡戦
ドラマパート
下邳では勝利を収めたが、呂布殿は曹操の策にかかり、その荒々しい生涯を閉じた。

同時に、私は曹操の部将として召し抱えられた。

主は変われども、私は武人としての道を追い求めるのみ。

曹操、いや、殿の下であれば、より多くの武と出会えることだろう。

今、我々は赤壁で孫権・劉備の連合軍に大敗し、撤退を余儀なくされている…。

しかし、武は逆境でこそ輝くもの。
張文遠、いざ参る!
概況
<曹操>
張遼、お前こそ絶世の武人。
惜しむらくは、今まで仕える主を見誤っていたことよ。
これよりは我が下で、武の道を進むがいい。

我が軍は今より、赤壁から撤退せねばならん。
無様だが、逃げて生き延びねば。
乱世の先に覇業を成すまで、わしは死ねんのだ!

これは撤退戦、ゆえに敵総大将の首など不要。
わしの退路を開き、その上で、己の命も守れ。
……このわしの天命、お前に預けるぞ。
評定
<曹操>
くっ…辛くも逃げ切れたか。
わしの油断から始まった戦だが……今は命があることを喜ぶべきだな。
皆もよく逃げ延びた。

この雪辱は果たさねばならん。
速やかに国力回復に努め、劉備と孫権を叩き潰す。
わしを怒らせたことを思い知らせてくれるわ!

 合肥の戦い
ドラマパート
赤壁では大敗を喫したものの、殿は鮮やかに退却して、素早く曹魏の態勢を立て直した。

天命を知る者とは、かくも強いものか……。

天下は殿と蜀の劉備、呉の孫権による三つ巴の争いとなった。

そして今、孫権が私が守る合肥の地に軍を進めている。

敵の兵数は圧倒的だが、恐れることはない。

この乱世、兵の数を覆した戦など数知れぬ。

私も、この武にて孫呉の大軍に敵するのみ!
概況
<曹操>
張遼、先のお前の働きのおかげで、今のわしがある。
心から礼を言わせてもらうぞ。
これからも、我が天命を支えてくれい。

孫呉め、合肥の守りが手薄と知って、大軍で押しきるつもりか……。
わしも軍を率いて、急行する。
それまで、必死で持ちこたえよ。

合肥に打ち捨てられた拠点を活用し、敵陣に楔を打ち込むように軍を進めよ。
張遼よ、お前の武でこの逆境を打ち破るのだ!
評定
<曹操>
見事よ張遼!
寡兵にて孫呉の大軍を壊滅させるとはな。
お前の武、あの合肥の戦場にて雷鳴のごとく轟いておったぞ!

張文遠が合肥にいる限り、孫呉は二度と手を出さないであろう。
我が覇道の道筋、お前の武が鮮明に照らし出したな。

真・三國無双4 台詞之書