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諸葛亮は逝き、それに伴って蜀漢も潰えた。
後は孫呉さえ始末すれば、我が殿である曹丕が天下を手に入れることとなる。
曹丕の天下……か。
これまでの曹魏の来た道を振り返れば、それも悪くはなかろう。
この私の英知を振るうに値する世だ。
よかろう。
曹丕よ、その命があるうちはお前を我が主として仰ぐ。
だが、お前が世を去りし後は、私と、私を継ぐ子らが……。 |
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<曹丕>
仲達、支度をしろ。虎狩りだ。
合肥に攻めてきた孫呉を返り討ちにする。
この騒々しい乱世、ようやく幕を引く時が来たのだ。
孫呉はこの戦を決戦と意気込んでいるようだ。
我が方の城を各方面から包囲し、全軍の一斉攻撃で我らを絞め殺すように陣を敷いている。
だが、虎は所詮獣だ。暴れるしか能がない。
守りを固めた上で好きなだけ暴れさせ、疲れたところを叩けば終わりだ。行くぞ。 |
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<曹丕>
孫呉め、さすがに虎と自称するだけはある。
我が軍をこれほどまでに苦しめるとは……。
時代の終焉にふさわしい戦であったな。
蜀が滅び、孫呉も潰えた。
もはや私を遮る者はなく、天下は曹魏の下にひとつとなる。
ふ……統べてしまえばあっけないものだ。 |