張 郃 伝
 官渡の戦い
ドラマパート
私は張郃。字は儁乂です。

そう、美しき闘将張儁乂とは私のこと!

天に与えられた容姿……
そして磨き上げた武技、いずれも絶美!

私は今、名族である袁紹殿の下で、この醜く乱れた天下を正すべく戦っています。

恐らく袁紹殿こそ、美しく天下を統べる御方……。

袁紹殿は黄巾賊鎮圧、董卓撃破の偉業の後、自らが天下を治めるべく立ち上がりました。

袁紹殿の覇業、私の美にて支えましょう!
概況
<袁紹>
世は乱れ、漢王朝の権威は地に堕ちた。
この争乱を収め、新たな世を創ることこそ、我が袁家がなすべきこと、いや、天命であろう!

まずは旧友・曹操を官渡にて打ち破り、天下の中心・中原を手に入れる。
張郃、名族の将に相応しき戦い、曹操軍に見せてやるのだ!

我が方には大軍と十分な兵站がある。
曹操が小賢しい策を打つ前に、堂々と正面から破るのだ!
進め! 名族による新たな天下へ!
評定
<袁紹>
曹操の野望、砕いてやったわ。
名族の出と成り上がり者の差が出た戦であったな。
諸将の活躍も見事なものであった。

しょせん、下郎は下郎よ。
名族に触れることすら許されないのだ。
諸将もそこのところを理解し、私に仕えるようにな。

 潼関の戦い
ドラマパート
官渡での戦には勝利しましたが……
ああ、私は気付いてしまいました。

曹操殿は袁紹殿よりも美しいと……
英雄たる御方であると!

美しい者は惹かれあう運命…。

私は曹操殿の下へと走り、袁紹殿の一族を討つために戦いました。
……ああ、美とは時として罪。

曹操殿はその後も力を蓄え、今、関中を制すべく軍を進めました。

私の武を示すには絶好の舞台。
……さあ、殿、私をご覧ください!
概況
<曹操>
張郃、お前は袁紹の下で朽ちるには惜しい漢。
我が軍に加わったこと、嬉しく思うぞ。
これよりの戦、お前の武勇に期待する。

関中の諸侯どもは結託し、潼関にて我が軍の進軍を阻んでおる。
わしは北上して川を渡り、奴らの背後を衝いて、潼関側と挟撃する。

張郃、お前は潼関の正面に布陣し、敵の意識と兵力を潼関側に集中させるのだ。
敵の目を惹きつける役目……お前しかおるまい?
評定
<曹操>
関中の諸侯どもはあらかた討ち取ったか…。
かの群狼どもは、捨ておけば必ず我が覇道の妨げとなったであろうな。

関中を押さえたことで、今後の戦略も立てやすくなったわ。
天下は確実に近づきつつある。
このまま突き進むのだ!

 定軍山の戦い
ドラマパート
潼関の戦いに勝利した後、殿は勢いに乗り、漢中一帯までも手中に収めました…。

ああ、雄大な版図、美しいですね。

私は漢中にある天蕩山の守備を任されたのですが……
美しき者に悲劇はつきもの。

蜀軍に攻められ、撤退を余儀なくされました。

このままではいけません。

逆境から再び返り咲いてこそ、この私の美も高まるというもの。

いざ、定軍山にて雪辱を果たしましょう!
概況
<曹操>
我が軍はこれより、漢中の定軍山にて劉備軍を迎撃する。
天蕩山が奴らの手に落ちた今、この戦が漢中の覇権を決するものとなろう。

張郃、天蕩山を奪われたことは気に病むな。
この戦で劉備を叩き、再び漢中を平らげる。
そのために武を振るうことに専心せよ。

定軍山正面の守りは夏侯淵らに任せる。
お前は遊撃し、側面から攻め寄せる敵を迎え撃て。
敵陣に隙あらば、劉備の首を狙うのだ!
評定
<曹操>
蜀軍の勢いは盛んだったが、しょせん、我らの敵ではなかったな。
漢中を完全に制圧したことで、蜀は蓋をされたも同然よ。

定軍山という蓋をしっかりと閉じていれば、蜀は動けないだろう。
このまま蜀を葬るか、それとも呉討伐に転じるか……。

 街亭の戦い
ドラマパート
定軍山での戦には勝利しました。

ですがその戦闘で受けた傷が元で、私が敬愛する美しき将軍・夏侯淵殿が亡くなってしまいました。

また、曹操殿も時を近くして世を去りました。

悲しみの中、私たちは曹丕殿を新たな主とし曹魏の天下への決意を新たにしたのです。

曹操殿、夏侯淵殿……。

美しい方が次々と世を去っていく今、次の時代に美を伝えるため、
この張儁乂、今にも増して奮戦しましょう!
概況
<司馬懿>
張郃、これよりは私が戦に関する諸事を指揮する。
曹操殿は亡くなられたが、曹丕殿の下、臣下一丸となり曹魏の天下を目指すぞ。

蜀軍は街亭の街道脇にある山の頂に布陣している。
馬鹿め……あの高みに地の利などない。
周囲を押さえ、孤立させればすぐに崩れよう。

諸将は山の周囲を制圧せよ。
山頂にいる無能な敵将の攻撃は軽くあしらえ。
浅薄このうえない敵に、我らの知勇を見せつけてやるのだ!
評定
<曹丕>
馬謖を破り、街亭を占拠した。
思い上がった愚か者が勝てる戦など、この乱世にあるはずもない。
この勝利はただの必然だ。

この戦の収穫は、蜀の人材不足を確信できたことか。
後は我が軍の精兵でじっくりと追いつめ、息の根を止めればいいだろう。

 陳倉の戦い
ドラマパート
戦乱の世を戦い抜いてきましたが……
私の目の前で、あまりにも多くの美が失われました。

ああ、乱世とはかくも切ない悲劇の舞台……。

冗長な悲劇は、ただ悲しく暗いだけ。

そこに美はありません。

そろそろ……いえ今こそ、誰かが幕を引くべき時なのです!

ならばそれは他の誰でもない、この私の務め。

……さあ!
張儁乂が、戦の世の終幕を飾りましょう。

美麗に、優雅に、荘厳に!
概況
<司馬懿>
蜀はよほどこの魏が憎いらしいな。
街亭が落ちた時点で諦めればいいものを、今また陳倉道から攻め上がってくるとは。

陳倉道には我が軍の技術を結集させて築いた城がある。
せっかくだ、この機会にその出来を確かめるのもよかろう。

張郃、お前は城外に出撃し、蜀の攻城兵器を破壊せよ。
ここで蜀を挫けば、曹魏の天下はもはや目前。
全力で敵を迎え撃つぞ!
評定
<司馬懿>
ついに諸葛亮を葬った。
兵器で力攻めのあげく負けるとは…奴は勝ち急いだか?
まぁ、愚昧な男にふさわしい最期よ。

張郃よ、戦の舞、美しかったぞ。
諸葛亮も十分に堪能したであろう。
この時代の終幕の舞もお前に任せるとしよう。

真・三國無双4 台詞之書