曹 仁 伝
 赤壁逃亡戦
ドラマパート
自分は曹仁。
字を子孝という者だ。

自分の敵は乱世のみ。

戦乱の災禍より、人とこの大地を守るため、あえて戦場に立っている。

今、我々曹操軍は、この赤壁にて大敗を喫し、撤退を余儀なくされている。

我らの過分な自負が招いた結果か…
深く心に留め置かねばな。

されど、我が主・曹操殿が捕らえられれば、世の混迷はますます深まろう。

一日も早く乱世を終えるため、殿の御身は自分が守る!
概況
<曹操>
くっ……劉備、そして孫権め。
この赤壁での戦でわしを打ち負かすとはな……。
貴様らになめさせられた苦杯、決して忘れはせんぞ!

とにもかくにも、この逆境を打開せねばな。
今は無事に逃げることだけを考えよ。
曹仁、追っ手を退け、わしの退路を開くのだ。

この赤壁の炎から、わしは再びよみがえる。
我が覇道を成し遂げ、次の時代を築くまで、わしの命運、断たれるわけにはいかんのだ!
評定
<曹操>
くっ…辛くも逃げ切れたか。
わしの油断から始まった戦だが……今は命があることを喜ぶべきだな。
皆もよく逃げ延びた。

この雪辱は果たさねばならん。
速やかに国力回復に努め、劉備と孫権を叩き潰す。
わしを怒らせたことを思い知らせてくれるわ!

 合肥の戦い
ドラマパート
赤壁の難を逃れた殿は、すぐさま敗戦で失われた国力に努めた。

殿の迅速な対応は、劉備、孫権らにつけいる隙を与えなかった。

結果、この乱世は殿と劉備、孫権が並び立つ様相となった。

群雄割拠から三国の鼎立へ。
時代は確かな動きを見せたのだ。

乱世を正すため、あえて覇道へと踏み出した殿。

その戦いは、かの者らを討てば終わろう。

この曹子孝、今しばらく戦の鬼とならん!
概況
<曹操>
曹仁、赤壁からの辛く厳しい帰路をよく戦い抜いてくれた。
今わしがここにあるのはお前の働きあってこそ。
改めて礼を言うぞ。

これよりお前には、合肥の地で孫呉の軍を迎撃してもらう。
かの地の守りは手薄。
わしも急ぎ向かうが、それまで鉄壁の守りで耐えよ。

あの地に打ち捨てられた拠点が点在する。
それらを活用し、敵陣に楔を打ち込むように進軍せよ。
この苦境、見事跳ね返すのだ!
評定
<曹操>
少ない兵で大敵に勝つ、これぞ兵法の妙味よ。
孫呉は勝てる戦を落として消沈しているはず。
当分の間は動けぬであろうな。

さて、気になるのは劉備だが……。
まあ、今は捨て置くほかあるまい。
まずはこの戦での損害を早急に回復せねばな。

 樊城の戦い
ドラマパート
合肥での戦は魏軍の勝利で幕を閉じた。

だが、魏、呉、蜀が三つ巴となって繰り広げる争いは、いまだ終わらぬ。

そんな中、自分の守るこの荊州に、蜀の関羽が侵攻してきた。

関羽は軍神と称されるほどの将、苦戦は必至であろう。

殿からお預かりしているこの樊城と将兵たちの命、損なうわけにはいかない。

いざ参る!
自分の武、守護するためにこそあり!
概況
<司馬懿>
この樊城の戦では、曹仁殿が総大将となる。
おのおの大功を立てて、遠き都、許昌におられる殿のご期待に応えていただきたい。

敵の総大将は関羽。
奴はここしばらくの雨を利用した攻めを展開してこよう。
まずは守りに徹して機をうかがうが上策だ。

曹仁殿、あなたはこの樊城の支柱。
その鉄壁の武と揺るがぬ武人の心で、将兵らを鼓舞し、この戦に勝利をもたらしていただきたい。
評定
<曹仁>
皆の助力によって、樊城を守りきることができた……。
それにしても、関羽の最期、敵ながら見事であったな。

此度は呉の援護もあったが、いずれは、かの国とも決着をつけることになろう。
混迷はいまだ続き、乱世もまた続くか……。

 陳倉の戦い
ドラマパート
樊城の戦いに勝利した自分を待っていたのは、我が殿、曹孟徳の死であった…。

殿……乱世の終わり、あなたに捧げたかった…。

悲しみの中、我らは曹丕殿を主として戴き、新たな一歩を踏み出した。

乱世を討つまで、自分の戦いも終わらない。

次なる戦いの地は、曹魏の領土である陳倉。

かの地にある城にて、攻め来る蜀を迎え撃つ。

この曹子孝、曹魏を守る盾とならん!
概況
<司馬懿>
曹仁殿、先の見事な勝利、後の戦の手本となりましょう。
ですが、蜀はいまだに抵抗し、陳倉道より攻め寄せようとしております。

陳倉は曹魏の要衝。
かの地には我が軍の技術を結集した出城が築いてあります。
この機会に、曹魏の技術を試すとしましょう。

曹仁殿には、東門の守備についていただく。
また、機を見て城外に展開する敵兵器を破壊していただきたい。
頼みましたぞ。
評定
<司馬懿>
フハハハ。
人による戦いも、兵器による戦いも、我が軍のほうが上手だ。
蜀軍はこれで二度と陳倉城には近寄らぬであろう。

弱りきった蜀を攻めるか、漁夫の利を狙う呉を潰すか、次の一手が重要となる。
どちらにせよ、結果は見えているがな。

 五丈原の戦い
ドラマパート
乱世の終わりは近い。

自分たちが陳倉にて蜀を撃退した直後、本隊が合肥の地にて孫呉を討ち滅ぼしたとの報が入った。

後は五丈原へと攻めてきた蜀を討つのみ。

戦はなにやら攻め急いでいる様子。
だが、自分は心を平静に保ち、己が役割を果たすまで。

あまりに長い戦いであった……。

だが、この戦にて、乱世を葬り去る。
続く豊穣なる未来を勝ち取るために……曹子孝、参る!
概況
<司馬懿>
蜀……いや、諸葛亮め。
何を焦り、急いでいるのか……。
陳倉での敗北に懲りず、今度は総力をかけ、五丈原に攻め入るとは……。

もしや、奴の命は……!
ならば今こそ蜀を討つまたとない好機。
本陣とその周辺の守りを固め、ただ敵の自壊を待つのみだ。

曹仁殿は我ら曹魏が誇る守護の盾。
あなたならば蜀の決死の猛攻を防ぎきることができましょう。
その武にて、今こそ乱世に幕を!
評定
<司馬懿>
諸葛亮がついに逝ったか……。
曹仁殿、あなたの修羅のごとき活躍、見事であった。
乱世を忌み嫌う力がそうさせたのでしょうな。

安心なされよ。
この五丈原の戦いにて、天下の体勢は決まった。
あなたの望む平和な世は、すぐそこまで来ている。

真・三國無双4 台詞之書