姜 維 伝
 天水の戦い
ドラマパート
私の名は姜維。
字を伯約と申す。

この天水の地に生まれ、今は魏の臣として、太守の馬遵殿の参謀を務めている。

今、この天水の地は我が曹魏と敵対する蜀の軍勢に攻め込まれ、危機的状況を迎えている。

残念だが、馬遵殿の将器では勝利は難しい…。

いや、曹魏の臣である私がそのような言葉を発してはならない!

この地に住む母のためにも、私の智と武でこの苦境を覆さねば!
概況
<馬遵>
ええい! 蜀め、このわしが治める天水の地を狙ってくるとは。
我が国を攻めるにしても、他の地から進めばいいものを……。

この地には天水の他に、安定、南安のふたつの要所があり、これらをも守らねばならん。
兵を分散させ、それらの守りにあたらせる!

姜維! お前は戦場全体を見渡し、押されている味方を見つけ次第それを援護するのだ!
蜀から曹魏を守るため、死ぬ気で戦うのだ!
評定
<姜維>
蜀の大軍はかろうじて押し返せた。
…しかし、この戦を制した私に対する馬遵殿の眼差しには、
強い疑念が宿るようになった。

これも蜀の軍師・諸葛亮の策か……。
同胞の信を失った今、私の居場所はもうこの曹魏にはないのかもしれない……。

 街亭の戦い
ドラマパート
前回の戦いで、もはや、魏に対する忠義の心は消え去っていた。

諸葛亮殿に心服した私は、天水の地を去り、蜀に降った。

この三国鼎立の中、蜀の当面の敵は魏となる。

次の戦場は街亭。
対魏戦略には欠かせぬ要地だ。

何としても魏の侵攻から守らねば。

私と認めてくれた諸葛亮殿……
いえ、丞相の期待に応えるためにも、この姜伯約、身命を賭して戦いましょう!
概況
<諸葛亮>
姜維、よくぞ蜀に来てくれました。
この諸葛孔明、とても嬉しく思います。
私と共に劉備殿の遺志、仁の天下を実現しましょう。

さて、我々はこれより北伐における要衝・街亭を守る戦に向かいます。
全軍、街道沿いに布陣し、魏軍を迎え撃ってください。

かの地は山上での布陣が上策に見えますが、惑わされてはなりません。
軽挙妄動することなく、街道の守備に専念してください。
評定
<姜維>
自軍の軍略において危うい面もあったが、なんとか街亭を守りきることができた。
丞相の期待を裏切らずに済んでよかった。

今後も、街亭は魏に対する要所として活用されるだろう。
この戦の勝利は、蜀の天下へと繋がる大事な一勝だったと思いたい。

 陳倉の戦い
概況
<諸葛亮>
これより私たちは陳倉道を進み、魏軍の出城である陳倉城を攻めます。
この城を落とせばその先に長安への道が拓けます。

陳倉城は堅牢です。
我が軍の攻城兵器で防備を崩す必要があるでしょう。
攻城兵器を狙ってくる敵も、防がなければなりませんね。

姜維、あなたには私の後を継ぎ、蜀を背負う道を進んでいただきます。
その日のために、この戦でも、多くのことを学んでください。
評定
<諸葛亮>
陳倉城を蜀の傘下に収めることができました。
人馬と兵器を併用した前例のない攻城戦でしたが、うまく勝つことができましたね。

もう、長安は目と鼻の先。
魏との決着もまもなくです。
天下分け目の戦に備えて、少し休んでおきましょうか……。

 白帝城の戦い
ドラマパート
蜀と魏が激しい攻防を繰り広げている間に、呉は着実に力を蓄えていた。

そしてついに、この白帝城へと総力を挙げて侵攻してきた。

ここで孫呉を討てば、後は弱体化した曹魏が残るのみ。

……ならばこの戦、何としてでも勝ち、蜀の天下を引き寄せる。

此度の戦、丞相は不在だ。

だが、このような時こそ、私が奮起し、丞相の期待に応えなければ……。

蜀漢と劉禅殿は…、私が守る!
概況
<諸葛亮>
次の戦は白帝城での防衛戦です。
呉は総力を挙げて攻めてきます。
押される将があれば、それを皆で支え、耐え抜くのです。

白帝城の周りには、このような日が来ることを予想して既に策を張ってあります。
それを活用して敵を崩すのです。

私は北伐の準備に追われ、白帝城に向かうことができません。
……姜維、あなたにすべてを託します。
孫呉を迎え撃ち、滅ぼすのです。
評定
<劉禅>
孫呉の猛攻をしのぎ、白帝城を守りきることができた。
そのうえ、孫権も討ち果たせた。
この激戦、私は生涯忘れない。

長きに渡る乱世も、あと少しで終わりを迎える。
願わくば、平和な世を統治するのが蜀であってほしい……。

 五丈原の戦い
ドラマパート
丞相の顔色が悪い。

もしや……。

いや、孫呉を滅ぼしもうすぐ天下がひとつになるというのに、不吉な考えはよくないな……。

我らは五丈原の地で、曹魏と雌雄を決する。

悲しみの絶えない間の時代が続いたが、この戦が終われば、希望の光が差すはずだ。

丞相、あなたから伝えられたすべてが、今、私の血肉となり、この魂を前に進めます……。

行きましょう。
今こそ、天下を蜀に!
概況
<諸葛亮>
姜維、白帝城での活躍、見事なものでした。
あなたが孫呉を討ち滅ぼしてくれたおかげで、この五丈原の戦に全力で臨むことができます。

敵は私たちの決戦の意気を悟り、総力をもって防備を固めています。
補給線を維持し物資を活用して敵陣を崩さなければなりません。

姜維、もし私に何かあっても、迷わず、強く進むのです……。
次の時代、新しい天下は、あなたたち若者が築くものなのですから。
評定
<姜維>
丞相の遺した神謀により、曹魏を破ることができた。
兵たちも悲しみを押し殺して、よく戦い抜いてくれた……。

丞相は天下統一までの道を示してくださった。
ここから先は残された私たちの番だ。
民や国が惑わぬよう、次代を築いていかねば。

真・三國無双4 台詞之書