左 慈 伝
 黄巾の乱
概況
小生は左慈。字は元放。少々の方術を心得る者。
黄巾の乱を鎮めがてら、次の時代を築く英雄の顔を見に戦場を訪れた。

小生が見たところ、この乱世を終え、仁徳に満ちた天下を築き得るのは、劉玄徳なる漢。
だが、彼を呑み込むほどの大きな漢がいる。

曹孟徳。乱世においてひときわ輝く漢。
彼の性と質、英雄たりえる者か否か。
彼に会い、それらを見極めねばならぬであろう……。
評定
<何進>
世を惑わす賊徒・張角は死んだ。
黄巾賊は滅亡したと言ってもよかろう。
この総大将・何進、諸将たちの働きに感謝する。

諸君は各地に戻り、引き続き漢朝に対して忠節を尽くしてくれ。
二度とこのような乱が起こらないように、目を光らせておくのだ。

 虎牢関の戦い
概況
<左慈>
曹孟徳は、やはり破格の器であった。
だが、あの大器は、仁や徳で満たされることはないであろう。
やはり、次代を託すべきは劉玄徳。

小生は考えた。
劉玄徳という徳の大器を、曹孟徳という才の大器が支える。
それこそが、次の時代に最も喜ばしい形であろうと。

今、彼らは堕ちた傑物・董卓を討たんと洛陽に攻め上がっている。
このような些末な戦は、小生の手で片付けてしまおう。
評定
<袁紹>
逆賊・董卓をついに倒すことができた。
これも連合軍の諸侯が力を合わせた結果だ。
盟主として誇りに思う。

董卓打倒という目標が果たされ、連合軍は解散となる。
だが、名族の旗の下、戦った日々を皆忘れないであろう。

 官渡の戦い
概況
<左慈>
董卓が倒れた後、曹孟徳はその勢いを強めていった。
一方の劉玄徳は、曹孟徳に戦で敗れ、そのうえ股肱と頼む義弟とも生き別れた。

劉玄徳が大器として花開くには、しばらくの時間を要するか。
しかし、花開くその時、彼の義弟らがおらねば話にならぬ。

折しも今、劉玄徳とその義弟が、官渡の戦で互いが見えぬまま対峙している。
小生は袁紹に力を貸しつつ、彼らの再会を助けよう。
評定
<袁紹>
曹操の野望、砕いてやったわ。
名族の出と成り上がり者の差が出た戦であったな。
諸将の活躍も見事なものであった。

しょせん、下郎は下郎よ。
名族に触れることすら許されないのだ。
諸将もそこのところを理解し、私に仕えるようにな。

 長坂の戦い
概況
<左慈>
劉玄徳は義弟たちとの再会を果たし、さらに多くの勇士、知者を従えるに至った。
大器はいよいよ、乱世に翼を広げんとしている。

しかし今、曹孟徳が、総力をもって劉玄徳を討たんとしている。
やはり、あの者は劉玄徳が道を阻む最大の脅威であったか。

劉玄徳よ、軍師の指し示すとおり、まず江陵に向かい、孫仲謀と手を組むのだ。
小生も、微力ながら道を開く助けをしよう。
評定
<劉備>
曹操軍から逃げきることができた。
これも皆が命懸けで働いてくれたおかげだ。
私は本当に配下に恵まれているな。

だが、今後はこのような消耗戦は慎まねばならん。
曹操も次は許してくれないだろう。
確固たる地盤があれば、まだ戦えるのだが…。

 赤壁逃亡戦
概況
<左慈>
劉玄徳は、孫仲謀と共に赤壁で曹孟徳を打ち破った。
これにより、乱世はこの三人が並び立つ次の局面に進むであろう。

劉玄徳の天下は三者対立の先にある。
劉玄徳の軍師・諸葛孔明はそれを看破している。
彼もまた人の常を越えた才なのであろうな。

今、小生の眼前には炎上する曹孟徳の船団が広がっている。
曹孟徳は逃げざるをえまい。
今ならば、彼は小生に耳を貸すであろうか?
評定
<孫権>
曹操軍を完膚なきまでに叩いた。
逃げ惑う曹操の姿、滑稽だったな。
これで奴も、当分の間はおとなしくしているだろう。

だが、奴はきっと体勢を立て直し、再び我々の前に立つだろう。
それまでに、我々孫呉も今にも増した力を蓄えておかねばな。

 合肥の戦い
概況
<左慈>
劉玄徳は巴蜀の地に、拠って立つ国を得た。
だが、産まれたばかりの国は赤子同然。
曹孟徳が総力を注げば、崩れてしまうだろう。

そこで小生は、合肥の地で始まろうとしている曹孟徳と孫仲謀の小競り合いに足を運び、
孫仲謀に力を貸すことにした。

この戦、捨て置けば将器の差で曹孟徳が勝つ。
だが、小生の力で覆せば曹孟徳は疲弊する。
大徳が羽ばたくまでの時間を稼がねばな。
評定
<孫権>
よし、この地での主導権は我々が握った!
曹操を討つには至らなかったが、この結果は魏の将兵の心に強く焼き付いただろう。

この勢いに乗って曹魏に乗り込むか、協調路線を捨てて劉備を攻めるか、それとも……。
次の一手、天下の行方を決めるものになるな。

 夷陵の戦い
概況
<左慈>
合肥の戦の後、曹孟徳は世を去った。
これで劉玄徳の最大の壁は消えた。
しかし時を置かずに、劉玄徳も義弟たちを相次いで失った。

劉玄徳は、義弟の死に際し高き志を捨てた。
義弟の仇である孫仲謀を討つべく夷陵に軍を進めたのだ。
私憤の戦とは、嘆かわしい……。

しかし、劉玄徳はそれゆえに劉玄徳であると言えよう。
ならば小生は彼を信じ、今この一度のみ、彼の私憤に力を貸すとしよう。
評定
<劉備>
勝つには勝ったが、私の短慮のために、大きな犠牲を払うところであった。
仇である孫権も見失ってしまったしな……。

ここは、いったん国に戻り、軍勢を立て直すのが吉であろう。
私も大義の意味をもう一度、見つめ直したい……。

 五丈原の戦い
概況
<劉備>
天命は、私憤に曇った大徳を見放したか……。
劉玄徳は地に倒れ、その後を劉公嗣が継いだ。
その器は小さく、もはや天下は望めまい。

一方で、曹孟徳の下で芽吹いた次代の大器は、天下に向けて着実に育ってきている。
彼の息子・曹子桓、そして、鬼才・司馬仲達。

彼らが描く次の天下……
それは曹孟徳の天下に近いものであろう。
小生はそれを望まぬ者。五丈原にて彼らを討つとしよう。
評定
<姜維>
丞相の遺した神謀により、曹魏を破ることができた。
兵たちも悲しみを押し殺して、よく戦い抜いてくれた……。

丞相は天下統一までの道を示してくださった。
ここから先は残された私たちの番だ。
民や国が惑わぬよう、次代を築いていかねば。

真・三國無双4 台詞之書