Theme event
Theme event1 真夜中の訪問者
主人公 : せっかくの休みの時間だし、甘いものでも食べに行こうかな…
若い娘 : 「いやーっ! 離してくださいっ!」
「誰か助けてください!」
浪士 : 「な〜に、お高く止まってんだ。
いい思いさせてやるって言ってるじゃねぇかよぉ」
浪士 : 「さあっ、こっち来いよ!」
若い娘 : 「やめてっ!!」
浪士 : 「痛ぇっ!」
主人公 : 「何をしてるんですか!
嫌だと言ってるんだから、はなしてあげなさいよ!」
浪士 : 「あ〜ん…?」
主人公 : 「ほら、あたな、早く逃げて。
今度からこの手の男たちには気を付けて歩くのよ」
若い娘 : 「は…はい…」
主人公 : 「というワケで、私があの人の代わりにお相手してあげる」
浪士 : 「てめぇ…よく見りゃ可愛い顔してんじゃねえか」
浪士 : 「おめぇがさっきの女の代わりに俺たちの相手しな!」
主人公 : 「だから相手してあげるって言ってるじゃない。
さ、早くかかってきなさいよ」
浪士 : 「貴様ぁ!
男をなめんのもたいがいにしとけよ!」
主人公 : 有象無象のならず者に負ける腕じゃ新選組にいられない、ってね。
「たぁーっ!」
浪士 : 「げふぅっ…!?」
主人公 : 「そっちの男、あなたもまだやる気?」
浪士 : 「て、てめぇ〜っ!!!」
才谷 : 「おぉっ! 奇遇じゃのう!」
主人公 : 「えっ? う、梅…さん?」
才谷 : 「こんなトコで会えるとは驚きじゃ。何しちょったぜよ?」
主人公 : 「何してたって…あの、見て分かりませんでした?」
才谷 : 「何のコトぜよ?」
浪士 : 「おい…」
才谷 : 「ん〜…相変わらず可愛いのう」
浪士 : 「おい! 無視してんじゃねぇ!」
才谷 : 「いやぁ〜、そがあに見つめられたら照れるじゃろが」
主人公 : 相変わらずつかめない人だなぁ。
浪士 : 「おい! 聞いてんのかよ!」
主人公 : 「別に見つめてなんかいません」
才谷 : 「またまたぁ〜」
浪士 : 「こら! そこの田舎侍!」
才谷 : 「…何つか?」
「おんし、さっきからうるさいぜよ」
浪士 : 「あ…う、うぅ…」
才谷 : 「わしは今、この子と話しちゅう…」
「いい加減、目障りやき。
早う消えなわしもガマンの限界じゃ」
浪士 : 「す…すみません、今すぐ消えます…」
「おい…起きろ! 行くぞ!」
浪士 : 「う…、あ、ああ」
(浪士退却)
主人公 : 「もしかして梅さん…、
私を助けようとしてくれたんですか?」
才谷 : 「いやいやいや、違うぜよ」
主人公 : 「絶対ウソです!」
「意固地じゃのう」
主人公 : 「これだけは言っておきます!
あの程度なら私一人でも余裕をもって対処できました!」
才谷 : 「まあ、そうじゃろ」
主人公 : 「でも、その気遣いは嬉しかったです。
ありがとうございました」
才谷 : 「はっはっはっは!
まっこと、ようできた女じゃ!」
「おまんは強うて可愛い女やか。わしはもう、おまんにメロメロよ!」
主人公 : 「は…?」
才谷 : 「本気でおまんが欲しくなっちゅう。
今日からおまんは、わしの女じゃ!」
主人公 : 「う、梅さん…!?」
り、理解不能…。
今まで、まわりにこういう人っていなかったから、
どう対処していいか全然分からないんですけど?
「あ…あのっ、そういう冗談につきあってるヒマはないんです。
また今度にしてください」
「ではではっ、また!」
才谷 : 「あっ、ちょっと待ってや!」
(才谷の前から立ち去る)
主人公 : 「はぁ…梅さんってよく分からない人だなぁ」
いきなり口説き始めるのが彼流の挨拶だったりして…。
…って、そんな人いないよね。
フツーは…。
「・・・・・・・・」
「ま、いいか…。気にしちゃ負けよね」
おまんじゅうでも買って帰ろうっと。
(屯所内自室にて 夜)
主人公 : 「今日も疲れたなぁ…」
「もう夜も更けたしそろそろ寝て明日に備えないと」
今日は…何だか大変だったなぁ。
何だかげっそり疲れた気がするのは何故だろう…
「・・・・・・・・!?」
誰か…入ってきた?
まさか…賊?
それとも新選組の誰かが…!
「えっ…う、うう…」
No.75 Theme event Saitani-1 スチル
才谷 : 「今度は逃がしやーせん」
主人公 : 「梅さんっ!?」
才谷 : 「しーっ…」
「わしに一目惚れしなかった女はおまんが初めてぜよ」
「何が何でもわしのもんにしてみたくなっちゅう」
主人公 : 「え、え、えっ!?」
梅さんって何でこう突拍子もない人なのっ!?
才谷 : 「おまんはわしが嫌いか?」
主人公 : 「これって…好きとか嫌いとかいう状況じゃなく…」
才谷 : 「うん…?」
主人公 : 「とにかく、いきなりこんなのはダメなんですっ!」
「はぁ…はぁ…はぁ…と、とりあえずっ…」
「いきなり押し倒すのは…やめま…しようよ…」
才谷 : 「ははは、ほんならいきなりでなければえいがやき?」
主人公 : 「え…?」
才谷 : 「段階を踏んで口説けばえいがじゃ?」
主人公 : 「え…えーと」
才谷 : 「ゆっくり口説いちゃるき、楽しみにしていやー」
主人公 : 「もおぉ〜、梅さんってばぁ!」
な、何だかこの流れからすると、私が口説いてもいいよって
許可を出したかのような…
「でも、梅さんってホント変な格好してますよね」
才谷 : 「他人と区別がつかんよりは、えいやか」
主人公 : 「ああ、それは一理あるかも」
才谷 : 「何百人、人がおろうが、わしを一発で見つけてもらえるじゃろが」
「わしなら、おまんを万の人波の中から見つけ出せやか」
主人公 : 「梅さん…」
才谷 : 「はっはっはっ!
そもそもお互い、たいそう目立つ外見しちゅうぜよ!」
主人公 : 確かに…梅さんも私も一発で見分けがつく外見だ…。
私だって、女の格好をしていればそれほど目立たないけど、
女剣士で新選組なんて、すごく目立つよね。
「それが理由で私なんですか?」
才谷 : 「そがあなはずないやろーう?
困っちゅう女を助けて立ち向かう姿に惚れたぜよ」
主人公 : 「あんまり女の子らしくないところで選んでるんですね」
才谷 : 「わしは強うて可愛い女が好きやき」
「落とすまでは絶対に諦めんから覚悟しちょき」
主人公 : 「ううっ、覚悟したくないなぁ」
才谷 : 「わしのことを嫌いやない。それだけで十分素質満点ぜよ」
主人公 : 「はいはい」
言って諦める人じゃないみたい…。
「あの…そろそろ休みたいので、出てってもらえます?」
才谷 : 「ほんなら、わしが添い寝しちゃる」
主人公 : 「却下です。ほら、帰ってください」
才谷 : 「つれない言葉ぜよ」
主人公 : 「何言ってるんですか、もう!」
才谷 : 「また遊びに来るき、その時にもガンガン口説きゆう」
主人公 : 「それじゃ、おやすみなさい」
才谷 : 「名残惜しいがしばしの別れじゃ。おやすみ、鈴花さん」
主人公 : はぁ…めちゃくちゃに疲れた。
でも、梅さんって何だか面白い人だな。
一緒にいて絶対に退屈はしないと思うけど、私の神経がもつかなぁ。
言葉の壁だって結構感じちゃうしね。
とにかく今日はもう寝ようっと…。

Theme event2 出会茶屋
主人公 : 「う〜〜〜んっ!」
「はぁ、やっぱり外に出るといい気分転換になるなぁ…」
伊東さんたちだけでなく平助君まで御陵衛士として出て行くコトになってから
屯所の中は妙な雰囲気で…
やっぱり、私も無意識に緊張しちゃってるのかなぁ。
首の辺りがかなり凝ってるみたい…
「あ〜…お腹が空いた」
せっかく外に出てきたんだし、お団子でも食べてから帰ろうかな。
見廻組 : 「やつはどこに行った!」
見廻組 : 「まだ遠くに逃げてはいないはず!急いで探すんだ!」
見廻組 : 「おおっ!」
主人公 : 見廻組も色々と頑張ってるみたいだなあ。私は仕事中じゃないんで
完全に他人事だけど。
「…あれ?」
あっちにちらっと見えたのって、梅さんじゃないかな?
すごくお腹減ってるし…。
梅さんに、お団子ねだっちゃおうかな?
「梅さーん! 梅さ…!」
「あ…、無視して行っちゃった」
何なのよ…もう!
「こうなったら意地よっ!」
「もう、何が何でも梅さんにお団子おごってもらうんだから!」
「どこですか、梅さん!絶対逃がしませんからね!」
「梅さんっ! 梅さーん!」
「梅さ…んぐっ!?」
だっ、誰なの…!?
無理矢理どこかに引きずり込まれて…!
「ぷはっ…だ、誰なの!」
「私をどうするつもりっ!?」
才谷 : 「・・・・・・・・」
主人公 : 「う、梅さん…!?」
才谷 : 「驚いたのはこっちじゃ。いきなり叫び声を出されてもうて、
死ぬかと思ったぜよ」
主人公 : 「だって…梅さん、私のコト見て逃げるんだもん」
才谷 : 「あ、ああ〜…
あの時ちっくと間が悪うてな…」
主人公 : 「何かあったんですか?」
才谷 : 「わしによお似て色男の有名人に間違われてしもうてな。
見廻組に追われちょった」
主人公 : 「それって梅さん自身が色男だって言ってるのと一緒ですよ?」
才谷 : 「わしに似ちょったら色男に決まっちゅうが」
「で、おまんはわしに何の用事があったんじゃ?」
主人公 : 「あっ、そうだ!梅さんにお団子おごってもらおうと思って…って、あれ?」
「そう言えばここ…、いったいどこなんですか?」
才谷 : 「出会茶屋やか」
主人公 : 「出会茶屋って…であい…」
「えぇぇぇぇ〜っ!?」
出会茶屋ってのは要するに…
男と女が逢い引きして、あれこれと…
「な、何で私はこんなトコにいるんですか!」
才谷 : 「見廻組に見つかったらヤバイきに、ここに入ったぜよ」
主人公 : 「それはしょうが…ないのかな?うーん…違う気もするけど…」
「でも、そんなに梅さんとよく似た有名人って誰なんですか?」
才谷 : 「さあ、わしは知りやーせん」
主人公 : 「それ、全然有名人じゃないです…」
才谷 : 「はっはっはっ、そうかもしれんのう!」
主人公 : もう、梅さんってば適当にごまかしてばっかりなんだから…
それにしても…よりによって出会茶屋なんて…。
思いきり恥ずかしいよぉ…
才谷 : 「なあ…おまんのお国はどこなが?」
主人公 : 「会津です…。新選組に入隊するまでは江戸の会津藩邸に
いましたけど」
才谷 : 「ほう、会津が縁で新選組に入ったんじゃ?」
主人公 : 「まあ、そういうコトです」
「松平容保様の義姉君に当たる照姫様の下でお仕えしていて…」
「剣で身を立てたいと思っていた私のために、照姫様が新選組に
紹介してくださったんです」
才谷 : 「京都守護職は女性関係じゃー相当お堅いと聞いちょったき…」
「どういった縁なんか不思議に思っちょったぜよ」
主人公 : 「え、えーと…それはもしかして」
「私が容保様のお手つきかもと思ってたってコトですかっ!?」
「そんな…恐れ多い上に、思いきりお門違いですってば」
才谷 : 「だから、不思議に思うてたんじゃ」
主人公 : 「大体、殿様の側室におなりになるような方は、私みたいに
剣を振り回したりしませんよ」
才谷 : 「わしはそういう女の方が好きなんじゃがなぁ」
「わしは土佐の生まれやか。澄んだ海が見える、まっこといい場所じゃ」
「おまんは北の方で育っちゅうから知らんかも知れやーせんが、
土佐の海は明るうて、澄みわたっちゅうが」
「いつか、おまんを船にのせて遠くまで連れて行きたいぜよ…」
「きらきら輝く海を越えれば、どこもかしこも見知らぬ世界じゃ」
「のう、いつか一緒に見に行くぜよ」
主人公 : 「梅さん…」
きらきら輝いて、明るい海なんて何だか想像もつかない。
もちろん太陽の光で輝くのは見たことあるけど、梅さんの言ってるのは
そういう意味じゃないんだろう。
この人なら…どこまでも連れて行ってくれる…そんな気がする。
才谷 : 「ああ、おまんに見せてやりたいものがまだあったんじゃ…ほれ」
主人公 : 「それって、この前の…」
「よく見ると、随分変わった銃みたいですけど…」
才谷 : 「西洋渡来、六連発の最新型やか。機能的で、しかも美しいじゃろ」
主人公 : 「私は…銃はよく分かりませんけど、すっきりとした形ですね…」
才谷 : 「そうじゃのー」
主人公 : でも、こんな最新型の銃を持ってるなんて…
梅さんって、いったい何をしてる人なんだろう…?
「・・・・・・・・」
そう言えば、六連発の銃って…何か引っかかるな。
えーっと…あれは確か。
寺田屋事件で幕吏を撃った坂本竜馬の持ってた銃が同じような
最新式の銃じゃなかったっけ…
んん…なんか上手く情報をまとめられないなぁ。
このコトだけから判断すると、梅さんは…
才谷 : 「どうしたぜよ…?いきなり黙り込んでしもうたが」
主人公 : 「えっ?」
「あ…ううん。何でもないですよ」
そうよね。そんなコトありえない…と思う。
才谷 : 「出会茶屋で男と女が二人きり…」
「やっぱな〜んもせんちゅうのは、気がひけるっちゅうコトかのう!」
主人公 : 「えぇぇっ!?」
才谷 : 「それならそうとゆうてくれれば、ええんじゃ…ほれほれ」
主人公 : 「ちっ、ちっ、違います〜っ!!」
「梅さんはしばらく黙っててください!」
才谷 : 「まっことえげつない、ぱんちぜよ…」
主人公 : もし、梅さんがあの男…
坂本竜馬だったら永倉さんが伊東さんと梅さんをわざわざ改めて
引き合わせた意味も分かる…。
思想の枠を越えて勤皇諸藩の人たちと顔をあわせるには
坂本竜馬の人脈が役に立つだろう。
でも…梅さんが坂本竜馬なら。
新選組の隊士として私は梅さんを捕まえなければ…ならない。
だけど…
だけど…そんなことはしたくない。
梅さんを捕まえるなんてできない。
梅さんに直接答えを聞いてみたい。
でも…聞けない。
あの時、角屋で永倉さんが私を仲間外れにしたのは…
もしかして私にこんな思いをさせないためだったの?
「・・・・・・・・」
才谷 : 「・・・・・・・・」
「なぁ、鈴花さん。そろそろ出ようかのう」
主人公 : 「は、はい…」
才谷 : 「おまんは気が強うて、ええ女じゃ」
「しかし、わしとは結ばれん運命にある女かもしれんのう…」
主人公 : 「梅さん…」
才谷 : 「ほいたら、またな。団子はまたこの次にしとおせ」
主人公 : 「・・・・・・・・」
梅さんに…聞けなかったな。
『あなたは坂本竜馬なの?』って…
『なぜ見廻組に追われてたの?』って。
「・・・・・・・・」
そんなの…聞けるはずないよ。

Theme event3 理想と現実
主人公 : 近々新選組の隊士が幕臣に取り立てられるという噂…。
ホントかウソかまだ分からないけど…
もしそうだったら感慨もひとしおよね。
「・・・・・・・・」
どこをほっつき歩いてるか分からない父上や、さっさと再婚して
しまった母上に知らせてやりたいな。
あなたたちの娘は、ここまで剣で身を立てることができましたってね。
特に父上! あなたがろくでなし街道をまっしぐらに驀進してる間に、
娘は出世しちゃうんですよ!
な〜んて言ってやりたいんだけど、いないものはしょうがないのよねぇ。
ま、これ以上はホントに幕臣内定の知らせが来てからにしよっと。
ぬか喜びなんてかっこ悪いしね。
「ふぅ…」
才谷 : 「百面相の後は溜息かえ?」
主人公 : 「きゃっ!い、いつからそこに!?」
才谷 : 「ちっくと前からぜよ。いつ気が付くか見ちょったんじゃ」
主人公 : 「もう…すぐに声をかけてくれればいいじゃないですかぁ」
才谷 : 「かけようと思ったがのう、面白うて見入ってもうたぜよ」
主人公 : 「ひどーい!」
才谷 : 「ははは、悪かったぜよ」
主人公 : 「で、何の用なんです?わざわざ私の百面相を見にここまで
来たんですか?」
才谷 : 「いんにゃ、逢引の約束を果たしに来たんぜよ」
主人公 : 「ええっ!?」
あ、あいびきぃ〜っ!?
私、そんな約束したっけ!?
才谷 : 「前に船に乗せちゃるゆうたじゃろが」
主人公 : 「確かに言いましたけど…
こんな風に、いきなり船に乗るって言われても…」
才谷 : 「ごちゃごちゃ言わんとついてきいや」
主人公 : 「きゃーっ!?」
(船の上)
主人公 : 「うわぁーっ!」
「こんな大きな船に乗ったのって初めてです!」
「風が気持ちいいなぁ〜…」
才谷 : 「そうじゃろ、そうじゃろ」
主人公 : 「すごーい…街が…あんなに小さく見えて…波がきらきらして…」
才谷 : 「気に入ってくれたかね?」
主人公 : 「はいっ!」
才谷 : 「わしは船に乗るたび、よう考えるんじゃ…」
「無意味な枠の中で停滞しゆうのは、まっこと意味のないことじゃと…」
「ほりゃあ、人でも国でも同じやか。幕府も朝廷もない、ひとつの日本として
やり直すべきぜよ」
主人公 : 「・・・・・・・・」
ああ…やっぱりそうなんだ。この人は…
才谷 : 「鈴花さん…わしが誰か分かっとるんぜよ?」
主人公 : 「坂本竜馬さん…ですよね」
才谷 : 「やっぱ分かっちょったか」
「知ってて、わしについてきちゅうか?」
主人公 : 「はい」
才谷 : 「わしは才谷梅太郎と名を偽って、活動してきたぜよ」
主人公 : 「・・・・・・・・」
才谷 : 「どうじゃ。わしと一緒に来てくれやーせんか?」
主人公 : 「梅さんと一緒に?」
才谷 : 「そうじゃ。民がみな笑うて暮らせる日本をわしとともに作らんか?」
「そこに幕府はありゃせんが…公議の議長ともなりゃ徳川さんも
格好がつくぜよ」
「朝廷も幕府もない。みなが平等に語れる日本をわしと築き
上げるんじゃ!」
主人公 : 「・・・・・・・・」
そんな夢みたいなことができたら、どんなにいいだろう。
この人と一緒に、どこまでも高い理想を目指して…
この人の中にある理想を実現させるために、二人で頑張っていけたら…
でも…
「私には…できません」
「今、あなたは幕吏から追われる身。そんな人と行動をともにしたら…」
「私はお世話になった照姫様のお顔に泥を塗り、私をここまで
磨いてくれた新選組に仇をなすことに…」
「あなたの考え方は素晴らしいと思います。できることなら本当に
ついていきたい…でも」
「私はあの人たちを裏切ることはできません」
才谷 : 「ほんなら、このまま船を沖に向けて走らせるぜよ」
「わしは、おまんをさらってでも連れて行きたいからのう」
主人公 : 「それなら…!」
才谷 : 「ん〜?」
主人公 : 「…それなら、私はこの場で切腹します」
「私はまだ新選組の人間です。不可抗力とはいえ隊を抜けるので
あれば切腹して果てます」
才谷 : 「はっはっはっは!そう言われると思っちょったぜよ!」
主人公 : 「えっ?」
才谷 : 「さすがわしの惚れた女じゃ」
「わしはそんなおまんに惚れたんじゃからのう…」
「この幕引きは覚悟しちょった」
「ほんなら、港へ引き返すぜよ」
主人公 : 「梅さん…ごめんなさい」
才谷 : 「けんど、憶えとくぜよ。連れて行けのうても、おまんはもうわしの女じゃ」
「まだ当分、日本は荒れる」
「けんど、この先いつまで続くか分からん戦乱の時をわしと
おまんが生き延びられちょったら」
「そん時にゃ問答無用でかっさらいに行くぜよ」
主人公 : 「う、梅さん…」
才谷 : 「次にまた会える時が楽しみじゃのぉ!」
「二人で船ん乗って、遠い世界を見て回るぜよ!」
主人公 : 「うんっ…ま、まるで…夢みたいに嬉しい約束…」
才谷 : 「その時んなってイヤとは言わんじゃろなぁ?」
主人公 : 「うん…その時は喜んで」
「喜んでついていきます。だからいつか私をさらってください」
才谷 : 「ああ…約束じゃ」
「京へは他のもんに送らせるぜよ。このまま、おまんを見てたら、
お手つきしてしまいそうやか…」
主人公 : 「お手つき…って」
「あっ…私は、その…」
No.77 Theme event Saitani-3 スチル
主人公 : あ…
・・・・・・・・。
才谷 : 「今のはほんの手付けじゃ」
「後は再会してからのお楽しみぜよ」
主人公 : 「…はい」
(屯所にて)
主人公 : 「・・・・・・・・」
私…すごく後悔してる。
梅さんについて行かなかったこと…
でも…、今はああするしか他に…
・・・・・・・・。
何もかも捨て去って…
梅さんに着いて行けたらどんなに幸せだったか…。


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